【脳みその教科書】反証を与えられたら、一度は立ち止まれ。
- 2018.12.17
- 脳みその教科書

どーも皆さんこんばんわ
大賢者の名を騙る安楽椅子探偵
ガンダルフと申します。
この世には、目に見えないモノがあると思いますか?
実は・・・あるんです。

1992年に、ロンドン郊外にある
ウィンブルドンコモン公園で殺された
レイチェル・ニッケルという女性の話があります。
警察は、犯行現場の状況から
心理プロファイルを行い、容疑者を特定
コリン・スタッグという男が
逮捕されます。

事件の当日は、彼は公園で犬の散歩をし
特徴もプロファイルと一致
物的証拠こそ出なかったものの
状況証拠は十分でした。
なんとか彼を捕まえたい警察は
躍起になって自白をさせようとしますが
一向に自白せず。
最終的に、自白は無いまま
起訴に踏み切りましたが
裁判所は起訴を棄却します。

この話、どうなったかというと
2008年に全くの別人
ロバート・ナッパーという人物が
レイチェル殺害の犯人として
有罪判決を受けます。
そう、誤認逮捕でした。

警察は、スタッグを犯人と決めつけてから
発見した別の証拠を全て無視したんです。
思い込みに縛られた結果でした。
証拠を打ち消す反証を見つけた場合
それまで組まれた仮説が全て崩れることだってあるんです。

「カラスは全て黒い」
という話を信じても
世界中に一匹でも白いカラスがいたら
仮説は全て台無し。
誰でも、行動を起こすときは
仮説を立てます。
もっともらしい説明を人は欲しがるからです。
そして、一度見つけた正解っぽいものを
掴んで離そうとしないことが多くあります。
反証を突き付けられても
その反証に理由をつけて、反証だと認めない。
そんなバカなことは、もうやめましょう。

「人間の知能は、ひとたびある意見を持つと
それと一致し、その正しさを証明してくれる
あらゆるものを集めようとする。
そしてその意見とは合わないもっと多くの
もっと重要な例が見つかったとしても
それらは無視されるか、軽視されるか
あるいは何らかの区分によって
脇に追いやられるか、否定されるかする。

フランシス・ベーコンの言葉です。
1902年生まれのベーコンが言うんですから
少なくとも100年前からおんなじだったんでしょうね。
これには、記憶のメカニズムが絡んでいます。
自分の考えに合っていることを、選択的に記憶してしまう。
そして、最も愚かな原因は
自尊心の保護
イギリス数学アカデミーが
ガロアの「ガロア理論」を認めなかったように
冒険家スウェン・ヘディンが
世界で初めてチベット国内の地図を埋めた際に
地理協会がその功績を我が物にしようとしたように

この状況に対抗するための方法は
「もし~○○だったらどうなるか」
自分の状況は全て脇に置いて
自分の想定が全て間違いだったら
自分の信じていることが正しくなかったら
後ろ向きになりがちなこの質問ですが
もっとすごい発見をすることができるかもしれません。
もっと新しい世界が見えるかもしれません。
すこーし、立ち止まることも必要ってことです。
仮説思考のそのまた先の思考法
大事な論点をずらさないよう
目線をしっかり添えましょう。
考える途中で、反証を示された際
正しい行動がとれるように
今から「反証慣れ」しておきましょう。
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