プロファイリング概要②:FBIのプロファイリング方法とは
- 2018.12.28
- 脳みその教科書

どーも皆さんこんばんわ
大賢者の名を騙る安楽椅子探偵
ガンダルフと申します。
前回は、プロファイリングの生まれた理由について書きました。
今回はその続きから。
まだの人は、コチラから前記事を見てもらえるとスムーズに読めると思います。
さて、FBIが行った連続殺人の調査ですが、実は現代ではなんてことありません。
ビッグデータによる分析です。

FBIのプロファイリング方法=ビッグデータ
私自身、以前は人工知能開発のブログを立ち上げるほどハマりまして、ビッグデータにはお世話になりました。
FBIは過去の連続殺人に関するデータを収集し、データベースに落とし込みました。
既に逮捕されているシリアルキラーおよび、”被害者ー加害者関係”のない性的殺人者、合わせて36名の緻密な情報を集めたのです。
大きく分けて”現場情報”と”犯人の特徴”の二つ。

”現場情報”とは
凶器は現場にあらかじめあったのか、それとも用意したのか。
いきなり殺したのか、会話などがあったのか。
被害者の着衣や体の様子はどうか。
このような情報です。

”犯人の特徴”とは
年齢や職業、出身地、過去に訪れたことのある土地、学歴、病歴、結婚の有無、髪形、体質・・・
両件合わせて190件ほどの項目を細かく調査します。
ココから得られる結果により、犯人は分類されます。
秩序型か無秩序型
前項で収集されたデータを分析し、FBIは「一見多様な犯行でも、犯人の行動は2タイプに分けられる」と導き出します。
それが”秩序型”か”無秩序型”か。

秩序型の特徴は
- 計画的な犯行
- 面識のない人間が対象
- 被害者と意図的に会話する
- 現場はキレイ
- 被害者を服従させる
- 殺害前にレイプする
- 遺体を隠ぺいする
- 証拠などは現場に残さない
- 被害者や遺体は後に移動させる

無秩序型は
- 成り行きで犯行におよぶ
- 面識ある人を狙う
- 被害者と会話は避ける
- 現場は乱雑
- いきなり攻撃
- 拘束はしない
- 殺害後に遺体をレイプする
- 遺体は放置し、隠さない
- 現場に証拠を残す
秩序型はキレイ好き。計画通りに事を運び、全体的に統制がとれる「夜神月(やがみライト)」系。
無秩序型は粗暴。自分の衝動に弱く、行き当たりばったりな犯行を行う「両津勘吉」系。
また、ここから人物像としても2パターンに分かれることを突き止めました。
人物像における秩序派と無秩序派

秩序型は
- 知的水準は平均以上
- 社会性が高い
- 外見はしっかりしてそう
- 性的能力は正常
- 兄弟の中では年長者
- 父親は安定した職についてる
- 子供のころ、しつけには一貫性がなかった
- 感情をコントロールできる
- 犯行時、酒を飲んでいる
- 状況的なストレスに弱い神経質
- 結婚している
- 整備された車がある
- 行動範囲は広い
- 自分の起こした事件の報道に注目している
- 事件後転居・転職している

無秩序型は
- 知的水準は低め
- 社会的に未熟
- 外見はだらしない
- 性的能力がない
- 兄弟では弟タイプ
- 父親は安定していない職が多い
- しつけは厳しかった
- 感情が不安定
- 犯行時、飲酒はほとんどない
- 薬物乱用がありえる
- 精神疾患がある
- 状況的ストレスには強い
- 1人暮らし
- 犯行現場の近くに住むか働いている
- 行動範囲は狭い
- 事件報道に無関心
- 事件後に、行動が大きく変化する(アル中、薬物、宗教等)
前回お話しした通り、警察の操作方法には限界があります。
そのため、現場を見れば犯行のタイプを絞り込めるというこの試みは、画期的なことでした。
プロファイリングの例:サクラメントの吸血鬼事件

FBIがプロファイリングしたケースで有名なのがコレ
サクラメントの吸血鬼
1977年12月~1978年1月の二か月間で行われた計六名が殺される連続殺人
1977年12月29日に、 51歳のエンジニアであるアンボローズ・グリフィンが、自宅のドライブウェイに停めた車から買い物袋を持ち、家に向かって歩き出した瞬間、彼の家の前を車で通り過ぎざまにライフルで射殺されます。

同日、 付近の少年らが「当たらなかったが、車の男に発砲された」と証言し、警察は「愉快犯目的の若者が犯人ではないか」とみた。
翌年1月23日に、 同じ現場付近の家に不法侵入し、22歳のテリーザ・ウォーリンという女性に4発の銃弾を叩き込み殺害。
遺体は廊下jを引きずってベッドルームへ運ばれ、台所の包丁で胸を深く切り開き、内臓を取り出して部位ごとに分け、めった刺しにします。

また、室内はゴミが散乱し、付近にあったヨーグルトの空き容器を使って血を飲んだ形跡がありました。
1月27日にはウォーリンの近所にあるエヴリン・マイロスの家で同様の事件が発生。この事件では、そのとき偶然現場にいた友人男性、5歳の子供が殺害されており、2歳の子供は連れ去られ、後に遺体で発見されます。
この事件を解決に導いたのが、FBI式プロファイリングです。
皆さんもこれまで学んだことを踏まえて、犯人の年齢、性別、日常の所作などを予想してみてください。
次回に続きます。
この本はマジで有能。
興味あるなら一読をおススメします。
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