世界の未解決事件:ゾディアック事件

世界の未解決事件:ゾディアック事件
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どーも皆さんこんばんわ

大賢者の名を騙る安楽椅子探偵

ガンダルフと申します。

 

大晦日?はい仕事です。

 

今日ご紹介する未解決事件はコチラ

 

ゾディアック事件


1968年頃のサンフランシスコを舞台に起こった連続殺人事件。 

事件が特殊過ぎて、様々な形で作品化された殺人鬼として一躍有名になりました。

この事件、いまだに捜査が継続されています。

 

 

1968年12月20日、 デヴィット・ファラディー17歳とベティ・ルー・ジャンセン16歳の未成年カップルが、サンフランシスコ近郊のベニシアにあるハーマン湖の付近、通称「恋人たちの小道」 で起こります。

夜11時頃に付近を通りかかった女性に、未知に横たわるデヴィットと大の字に転がっていたベティが発見されました。

捜査の結果、おそらくは社内でチュッチュしていた二人を犯人が車外へ連れ出したようでした。

銃弾は、リアウィンドウに一発、左後ろのタイヤに一発打ち込まれており、脅迫に使用したと思われます。

その後、デヴィットの左耳後ろから一発、現場から逃走したベティに対して後ろから5発。

警察が駆け付けたところ、ベティにはまだ息がありましたが搬送中に亡くなったとのことです。

 

この事件をきっかけに、過去に起こった類似する事件を探したところ、警察は1963年に車中でラブラブしていた10代カップルが小口径の銃で撃ち殺される事件を見つけます。

おそらく連続殺人犯の犯行であると予想した警察は捜査網を広げますが、一向に手がかりは見つかりません。

 

通常の事件と違うのはココから。

 

翌年7月5日、殺人犯を名乗る男から犯行を知らせる電話がヴァレホ警察 に入ります。

 

「二つの殺人を報告しよう。コロンバス・パークウェイを東に1マイルほど進んだ辺りの駐車場で、茶色の車に乗ったカップルが死んでいるはずだ。凶器は9ミリのルガーだ。俺は去年もこんな奴らを殺っている。バーイ。」

現場に駆け付けた警察は、電話の内容通りの現場を発見します。

マイケル・マギュー19歳には、首を撃たれ舌を貫通し重症、ダーリン・フェリン22歳は、右腕2発、左腕2発、背中5発の発砲を受け、救急車での搬送中に死亡が確認されました。

手口が初期の犯行と同一であることから、捜査官の目が一斉に電話口の男に向きます。

実はダーリンは以前から同じ特徴の男にストーキングされていたと、回復したマギューは語ります。「私を見張っている。アイツが人殺ししているのを目撃した」と相談を受けていたようでした。

 

その後犯人は警察と3つの新聞社に、 青いフェルトペンで書かれた 「犯行声明文」を送りつけます。

 

これは、その後の事件後に送られた犯行声明文の一部

 


犯行声明は一部が暗号化されているうえ、円と十字を組み合わせたマークが描かれていました。これは後にゾディアックのトレードマークとして扱われます。

これがその暗号文。

 

 

犯行声明文によれば、ゾディアックは「殺した人間は、死後の世界で奴隷に出来る」とつづっており、そのために殺人を犯しているといいました。

のちに解読された暗号は以下のようなものでした。



『俺は人殺しが好きだ。とても楽しいから、森でケモノを殺すよりも楽しい。』
『人間は一番危険な動物だ。殺人は俺にとっては最高のスリル。女の子とセックスするよりも楽しい。特にいいことは、俺が死んで楽園に生まれ変わった時、俺が殺した奴らはそろって俺の奴隷になるところだ。』
『俺の名前は言わない。言えばお前たちは、将来、俺が生まれ変わった世界のために、今やっている奴隷狩りを邪魔するか、やめさせようとするからだ。』

これは、1932年の映画『猟奇島』のセリフから引用されたとみられています。

最後の18文字は、解読の結果意味のある配列にならなかったそうです。

 

 

同年9月27日、ブライアン・ハートネル20歳とセシリア・シェパードが、やはり車中でイチャイチャしているところをナイフで何度も差し、車のドアにトレードマークを掘るゾディアック事件が発生します。

しかし、カップルは重症でしたが生存していました。

「胸まで届く黒いフードで顔を隠し、胸の部分にトレードマークが付いていた」と証言した二人でしたが、残念ながらセシリアは27日に病院で死亡が確認されました。

10月にも、ポール・ステイン29歳タクシー運転手が射殺の後に財布を奪われ、10日後に運転手の血が付いたシャツの切れ端が新聞社に届けられます。

 

その後警察にゾディアックから一本の電話がかかります。

「○○弁護師がついてくれるなら自首する準備がある」

「テレビで電話出演する」

という驚愕の内容でした。

この番組、実際に組まれてます。

 

しかし、放映時間にかかってきた電話は、これまで警察にかかっていた電話の主とは声質がまったく異なっていたそうです。

警察は偽物と判断し、番組は終了。

 

しかし終了後、ゾディアックから指名した弁護士に対して手紙が送付されています。

「俺は自分から助けを求めることが出来ない。俺の中のもう一人のアイツがそうさせてくれないからだ。」
「だんだん自分にブレーキをかけられなくなっているのが分かる。そのうちブレーキが壊れて、9人目、10人目を殺してしまいそうだ。助けてくれ。」

 

 

ゾディアックからの最後の連絡が、7年後の1974年に警察に入ります。

「今まで37人を殺害し、事件を新聞で一層大きく取り扱わないと「何かすさまじいこと」をやる」

 

事件は起こりませんでした。

 

その後、ゾディアックからの連絡は途絶え、事件の手がかりが無くなった今も、ゾディアック事件の捜査は継続しています。

 

 

 

これはいわゆる劇場型犯罪と呼ばれる行動です。

犯人を”主役”、警察は”脇役”、マスコミや一般人は”観客”という構図で行われる犯行を指す言葉です。

元祖としては、切り裂きジャックが有名ですね。

日本でもグリコ・森永事件の「かい人21面相」など、警察を挑発する文章が送られるようなものがありました。

「メディアが騒げば騒ぐだけ、犯人の思惑に加担している」との非難の声も上がることがありますが、確かに犯人が求めているのはこの”注目を浴びる高揚感”なのかもしれません。

自分にしか出来ない偉業を、誰かに知って欲しい。

誰しもうっすらと持っている感情ではないでしょうか。

 

 

しかし私としては、それは「殺人を継続している内に芽生えた感情」なのではないかと思っています。

女性への発砲数の多さ、生還者の少なさなどを考えると、女性に対し恨みや憎しみ、いやむしろ恐怖を持つ人物の犯行だと思いました。

 

異性に恐怖心を持つことは、現代でも案外普通にあることです。というか、ネットで普通に異性を観察できることから、逆にそれを加速させるケースも多いと考えます。

 

あ、ちなみに

目撃証言から描かれたゾディアックの容姿はこんな感じのようです。

見かけた際は、警察に一報をよろしくお願いします。

 

なんと映画にもなりました。

最後のシーンは・・・ネタバレ禁止ですね。

 

この本が面白いのは、”犯人を特定した”と明言している点です。

一読してみるのもいいんじゃないですか?