ジェイムズ・ロバートソン:隔離された小世界で夢を叶えたサイコパス
- 2019.03.07
- サイコパス名鑑

どーも皆さんこんばんわ。
ゲーム探偵でおなじみ、ガンダルフと申します。
いや~私ね、学生時代の記憶がほとんど残ってないんですよ。
友達もいたし、ふざけて遊んでたし、何不自由なく学業に勤しんでましたよ。でも、今となってはな~んにも思い出せません。
あの頃は、毎日同じ顔ぶれに会って全員で同じ授業聞いて、それが全てでした。成長するにつれて出来ることも増えて、バイトなんか始めちゃった日にはもうドッキドキ。
そんな生活が、悪くなかったと思います。
アメリカでは、大人になってもそんな施設があるようです。
これは、1人の死刑囚のお話。
ジェイムズ・ロバートソン

(1963年~)
人生の大半を刑務所で暮らす男。
監房内で同室の囚人を、”とある目的”のために殺害した。
最初の収監~

オーランドの東部にある素朴な街で12歳まで過ごしたジェイムズは、ワルガキもワルガキ。中学生の頃から酒や多種のドラッグにどっぷり漬かり、毎晩のように地元の仲間とパーティーを開いていました。
特技は”自転車泥棒”、ドラッグを買う金欲しさに盗みを働くのが常でした。
彼自身、”中の下”の家庭で育ったといいますが、そこは鞭による虐待が行われるような家庭であり、また両親の離婚や再婚についても憤りを感じていたようです。

学校では手に負えない子供で、中学くらいからは基本的に学校をサボっていました。
最初の逮捕は12歳の頃の”万引き”
なんとも子供らしい犯罪ですが、これがのちに”強盗”まで起こすようになり、1980年の17歳の頃にはクスリを買う金のため、夜中に電気屋に押し入り警備員に見つかりもみ合いになります。
靴下に隠したナイフを警備員へ刺して逃げようとしましたが、手が届かずに逮捕。建築物侵入、窃盗、加重暴行、逃走の罪で10年間クロスシティ矯正施設へ収監されることになりました。
しかし、そこで殺人事件が起こります。
ジェイムズ自身は否定していますが、この”無実の罪”により刑期が15年上乗せ。また脱走を図ったこともあり、公務執行妨害でプラス5年。
もうこの頃にはヤケクソで、他の囚人をナイフで刺す事件も起こし

刑期はもはや雪だるま式に増加
「刑務所に暴動は付き物ダロ?」「周りがムダに騒ぎ立てただけさ」
「いつも俺が悪者にされるんだ」
ここでも彼は問題児でした。
長期厳重監視受刑者

17歳から刑務所に収監され、外部とは隔離されて成長したワルガキは、これまでの悪行の積み重ねにより”長期厳重監視受刑者”となります。
そうなると大変。
テレビもない、持ち物も持ち込めない、人も居ない隔離房。
そこに一日23時間監禁され、週に6時間だけ別の檻の中で運動。
出られるのは週に3回ほどですが、そこでもやっぱり檻の中。

一般受刑者から隔離が必要な受刑者として、全ての自由を奪われます。日の光も見ることが出来ない地獄の環境に、生きる気力を奪われ続けます。
他の隔離者たちは、元の房へ戻っていくのに、自分だけは長期間押し込められ、一日中独房で座っている生活。
執行側としては、”反省”を促すための行為だったはずが、 のちに事件を引き起こすことになります。
解放のための殺人
20年間隔離房へ閉じ込められていたジェイムズは、2008年12月に2人部屋へ移動することが許可されました。
そこで同室だったのが”フランク・リチャード・ハート”
ジェイムズは夜中、警備員の巡回が過ぎるのを待ち・・・

寝ているハートの首を白いスポーツ用靴下で締め上げました。
「彼の痙攣が止まるまで、5、6分かかった」と述べています。
ジェイムズは、もう隔離房に行きたくなかったため犯行に及んだといいました。
まるで子供の発想ですが、事実彼はこの後

自らを死刑囚にするよう嘆願します。
「この犯行で俺を死刑囚にしてくれ」と頼み、匙を投げられつつも計5名の弁護士に相談して、自らの家庭環境や精神状態を鑑定してもらい・・・。
本当に死刑囚になりました。

死刑囚の待遇は、一般囚人とは異なって上質な物になります。
テレビのある独房で1人、専属の看護師がつき、食事も一般とは異なり上質な物。専用の運動場まで準備され、なにより
死刑囚同士に仲間意識がある。
外部から隔離された施設に住むものにとって、もはやそこが

”世界の全て”
出られないことが確実な世界ならば、せめてその中で上質な環境にいたいと考えるのは、おかしなことではないでしょう。
彼の殺人は、さながら中学生が高校生になるように、高校生が大学生になるように、
より上質な物を得るための受験
ただそれだけのことでした。

死刑囚とはいえ、スグに執行されるわけではありません。いつ死ぬかわからないのは、どこに居ても一緒です。
死刑囚は100人以上収監されており、全員が”順番待ち”状態。
多くの死刑囚が、今後20年以上はこの生活が続くと考えているようです。いざ執行されるとしても、現在の死刑制度”薬物注射”によるもの。長い苦痛が与えられるわけでもない。
そんな浅はかながら事実である現状に、恩恵を受ける道を選んだようです。
ジェイムズは口癖のように、”人生は不平等だ。公平なんてどこにもない”と話続けていました。
そうして彼は、隔離された世界の”楽園”で死刑囚という特別なステータスを得て、今でも”寿命”を待っています。
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