武器商人:世界で最も因果な商売人は、今日も命を売り歩く
- 2019.03.25
- 脳みその教科書

どーも皆さんこんばんわ
ゲーム探偵でおなじみ、ガンダルフと申します。
この時期になると、わらわら集まってくるアイツらは何とかならないんでしょうかね。ホント勘弁して欲しい。
たまに道端でタイヤに潰されているところはタバコのフィルターとどっちが多いかわからないくらいですし、駅構内でダンボール敷いて寝てたり、ドラム缶で焚き火してると光に誘われて嫌でも群れでやってくる。
え?何の話って?

武器商人ですよ武器商人
わかるでしょうよ。
最近は第三埠頭の倉庫へ異常なまでに深夜予約が殺到しているみたいで、黒塗りのベンツが周辺で大渋滞を起こしてるらしいですよ奥さん。
トニー・スタークのような特別凄い武器商人は、そんなとこに集まらなくても爆発的に売り上げ出しちゃうので、埠頭にくるのは末端も末端です。深夜の埠頭には近寄らないのが一番。
じゃあ今日はこいつらの生態について書いてみましょうか。
死を売り歩く商人:武器商人の生態

死とお金を引き換えにする「商人の中の商人」である彼らは、別名死の商人と呼ばれています。
なんでこの時期にわらわら……かと言うと、ちょうど2019年にも兵器のコミケ市場と呼ばれるIDEX(International Defence Exhibition and Conference)が2019年2月17日から4日間行われていたからです。

IDEX公式サイト:
https://idexuae.ae/
戦闘機や軍艦などの大型兵器から、銃器やナイフ類の持ち運びできるタイプに至るまで、様々な兵器開発会社が集まって人殺しについて語り合う4日間は、さながらアリが砂糖に群がるが如く・・・

一日に動く資金量は
なんと700億円以上
市場に金が集まるって事は、お金が稼ぎやすい業界ってことで間違いないですね。
私も人生で初めて「フォアグラを食べ飽きる」という二度と訪れないであろう体験をしたばかり。詳細はツイッターにて報告しておりますのでよろしければそちらをご参照下さい。


次はフグあたりを食べ飽きたいと思いますので、今日は武器商人のなり方について書いておきまっしょい。
ここなら一獲千金も夢ではありませんよ?皆さんもいかがでしょうか。
なれる!武器商人!
武器のアイデア

もちろんまずは武器の計画です。
すんごい兵器のアイデアを考えるだけで大丈夫なんです。実際にIDEXに展示されているものも、実物大のプラモみたいなモンばかり。
実際に稼動するモノは、アイデアが売れて投資家に出資してもらってから生産体制に入ったんで全然間に合います。極端な話、作れなくても大丈夫です!
兵器業界のトレンド

最近のトレンドは無人兵器!
軍事組織にとって、兵士は最も金のかかる資本。コレの消費を抑えることはどこの組織でも頭を悩ませていることでしょう。
SNSにバカッターなんか挙げられたら嫌でも叩かれちゃうし、人の代わりに戦争してくれるアイテムが安く売られてたら、ぽっと出の開発者だとしても一発で一億円契約なんて夢のある話もアリアリなわけです。

もちろん人の代替兵器以外でも大丈夫。
ここで大事なのは実物ではなくプレゼン能力です。
・ウラン以外で作成できるハンディ核兵器
・戦地までたったの2秒、次元転移装置
・持ち運び可能ビームライフル
などなど、「え!?マジで出来んの!?」という商品アイデアでも、謎技術の解説で「あぁ!そう作れば確かに!!」と信じさせることが出来ればアナタも今日から武器商人です。
宣伝方法

まずはホームページを立ち上げて、商品アイデアを紹介しましょう。ポイントは「いかにマジで作れそうか」
そして、それを裏付けるために商品サンプルを使って実際の稼働状況を紹介する動画を撮影しましょう。
コチラは、実際の兵器開発者が作った透明マントの宣伝動画がCNNニュースで取り上げられたところです。
この透明マントは大成功でしょうね。
動画再生回数が50万回も超えてくれば、もう出資者が勝手に「本当にいけるんじゃないか!?」と勘違いして虫のように集まってきます。
もうココまできたら、売り込みすら必要としません。
そのうちあなたの会社の未公開株を欲しがる人たちが現れますので、取れるだけ搾り取ってやりましょう。株式公開は話題が沸騰している間にしましょう。顧客の目が覚めてしまっては資金が集まりません。
資金調達完了
お金が集まったら、

逃げ・・・
てはいけません。
詐欺容疑で実名逮捕されてしまったら、二度と同様の手口で稼げなくなりますので、しっかり人を雇って研究開発を始めましょう。

研究費は、主に自分と研究員への給料に当てるのがポイント。
時々訪れる出資者へ向けてそれっぽいものを他の研究員に作らせつつ、自分への給料を一億円くらいに設定しておきます。
大丈夫、アメリカの兵器開発会社では事実、一億オーバーの研究員がゴロゴロいるにも関わらず、出資者は一言も文句言いません。
それっぽいものが本当に出来上がったら御の字。
資金が尽きた頃合を見計らって、潔く会社を畳みましょう。

事実、武器商人の中には最初から兵器開発する気なんてサラサラなく、アイデアだけで資金を集めて会社を潰すという活動を繰り返す人が結構いたりします。
株主の方々も、凄腕の投資家ならそうなる前にとっくに逃げ出しています。あなたの良心も痛みませんね。
商品完成後

軍需産業は、開発を始めてから販売まで余裕で10年とか掛かるので、引き伸ばせるだけ引き伸ばして悠々自適な生活を満喫するのが賢いやり方です。
もちろん完成したら、スグに会社をバイアウトして業界から立ち去りましょう。

販売後も経営していると、人権団体やNGOの反戦組織が髪を振り乱しながらグチグチ文句を言ってくるに違いありません。
ここまでを一度体験してしまえば、また同様のアイデア出しからやり直せばいいだけの話です。
実在の死の商人からマーケットの実情を見る
GPSやインターネットは、実際に戦争利用が目的で開発されたものですが、武器商人は儲かる的なイメージは

真っ赤な嘘です。
兵器開発会社が利益額などで世界20位以内に入った記録なんて

過去に一度もありません。
たしかに世界では、いつもどこかで戦争が行われていますが、規模からすればそれほど大きなマーケットではありません。
むしろ冷戦終結後は売り上げ低迷の真っ最中。全盛期の6割弱まで企業数が減少しているのがホントのところ。
副業で軍需産業をやっている大手自動車メーカーも、既に事業解体や売却しちゃってるのが、軍需産業の人気低迷を裏付けていますね。

ハネウェル社という、対戦車地雷やクラスターボムの開発に余念が無く有害産業廃棄物排出量が全米No.1の企業も、軍需の利益率は13.9%程度で、残りは航空機や車両、ビルの開発や制御テクノロジーでおまんま食ってる次第です。
どこの業界もご他聞に漏れず、世知辛い世の中って事ですよ。
まとめ
実情を知ってもまだ死の商人カッケーと思う方々は、上記のやり口で自らマーケットに打って出てみるのもいいんじゃないでしょうか。
第二のトニー・スタークになるのは
キミだ!!!

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