ヘンリー・リー・ルーカス③:最後まで”愛”に苦しんだ異常者
- 2019.03.30
- サイコパス名鑑

どーも皆さんこんばんわ
ゲーム探偵でおなじみ、ガンダルフと申します。
指令を受けたヘンリーのその後、いってみましょう。
ヘンリー・リー・ルーカス

(1936年8月23日~2001年3月13日)
映画「羊達の沈黙」などで有名な「ハンニバル・レクター」のモデルの一人
暗殺者ヘンリー

オッティスと共に隣のテントに向かったヘンリー。オッティスはウイスキーのボトルを手に最初にテントに入り、ターゲットと話し始めました。どうやら既に顔見知りだったようで、男を巧みに近くのビーチへ連れ出します。
ターゲットにボトルを手渡す際もルーカスは近くに忍び、泳ぎの準備を始めた瞬間

男の髪を掴み、喉にするどい一閃
ターゲットの遺体を調べたメテリックは、ヘンリーの迅速な手際を賞賛しました。その後ヘンリーが出席したカルト教団の会で、ターゲットの遺体は
調理して食べられたそうです。

ヘンリーはその団体の規範に則り「殺しの手口」を学んでいき、7週間後に「訓練」を終え、オッティスと共に仕事旅行を始めました。ヘンリーいわく「子供を誘拐するのがあんなに簡単だったとは」だそうです。皆さんもお気をつけください。
ショッピングセンターの駐車場、車内で眠る子供を見つけ車上荒らしの要領で連れ去りクスリ漬けにした後
カルト教団のポルノビデオで見つかったなんて、笑い話にもなりませんからね。

資料によれば、他の不愉快な仕事をいくつかこなした後にヘンリーは休暇をとりジャクソンビルに戻り、次の指令を待つように言われました。
愛するベッキーの下で「父性愛」と「性欲」の間を揺れ動くヘンリーでしたが、ベッキーが肉体関係を求めてきた際でも絶対に手を出しませんでした。
ベッキーは何度も拒絶される悲しみから、ヘンリーを同性愛者だと非難しました。そんな彼女にプレゼントを贈り落ち着かせ、夜中彼女が眠った後に

外で女を調達する日々
3ヶ月の長旅で、乗ってきたトラックは故障し、ヒッチハイクを繰り返し、オレゴン州やワシントン州をフラフラ。ベッキーは彼と共に行けば楽しいだろうと思っていましたが、結果そうではないことに幻滅し絶え間なく文句を言うようになりました。
一度カリフォルニアで四ヶ月、まっとうな職を得て生活を送ったこともありましたが、段々と怠惰になり何週間も掃除がされていない部屋で酒を浴びるようになると、支援してくれていた人にも見限られ追い出されます。

ホームレスになった二人は、ストーンバーグの牧師に招かれカップル用の宿泊施設「祈りの家」に入ります。とはいっても荒れた牧場の小屋に過ぎませんでしたが。
食料も寝床も提供される代わりに、毎週日曜日の礼拝と仕事の手伝いを受け入れ生活を始め、ヘンリーが車や建物の修理をしている間に、ベッキーは家事を手伝います。
唯一ヘンリーにとって予想外だったのは、掃除や洗濯を学ぶベッキーが、共にクリスチャンとしての価値観も学習していたことでした。

ヘンリーより年上の女性ケイト・リッチは、若いベッキーに影響を与えるには十分に尊敬できる女性。ケイトは彼女がジャクソンビルに帰ることが最善であると考え、クリスチャンへ改宗するために全ての罪を告白することが大事だとヘンリーとベッキーに説きます。
怒り狂ったヘンリーでしたが、彼女に「殺しの仕事」について誰にも話していないことを確認した後、早々に祈りの家を出てジャクソンビルに帰るヒッチハイクを始めることにしました。

二人の関係はますます悪化、ベッキーを見て減速する車も、ヘンリーを見つけるとスグに埃を巻き上げて走り去っていきます。何とかたどり着いたテキサスでも、宿泊できるモーテルが見つからず町の端にある野原で野宿することにしました。
酒を飲み、下着を脱ぎ捨てヘンリーの横に横たわるベッキー。ルーカスはこの頃にはベッキーに手をあげるようになっていました。この時二人は激しい口論になり、ヘンリーは明日「祈りの家」に戻る決心を彼女に伝えます。
彼女の返事はヘンリーの顔を平手打ちすることでした。
ヘンリーにとっては、それが我慢の限界だったんでしょうか。

近くのナイフを手に取り、ついに彼女の胸に深く突き刺しました。
愛する人の命をこの手で奪った事に激しいショックを受けた彼は
ベッキーの遺体を抱きました。
そうすることで、自身の人生の強烈な一場面になったと後にヘンリーは語ります。
彼女の指から指輪を抜き取り、身体をバラバラに解体して枕カバーに詰め込み、彼女を荒れた畑に置き去りました。

この後ヘンリーは、祈りの家に戻ります。
2日後に牧師の下へ戻り、ベッキーのことを尋ねられた際「ヒッチハイクしたトラック運転手と逃げだした」と涙を流しながらいい、元通りの生活を手に入れます。
2週間後、ベッキーの遺体を埋葬するために現場に戻りましたが、彼女の身体を半分埋める頃には、悲しみで手が動かなくなったと言います。

さてここで問題になるのは、ベッキーを常に気にかけていたケイト・リッチ。
ベッキーについて知りたい彼女は、ヘンリーが祈りの家に戻ったことを聞いたとたんに彼に連絡します。ヘンリーは「次の夕方の礼拝の際に迎えに行くから、その時に話す」と言いました。
当日、ケイトを迎えに行ったヘンリーは、彼女を乗せた後にビールを買うためオクラホマへ向かいます。乗車中にベッキーについて聞かれた際は、例のカバーストーリでお茶を濁すヘンリーでしたが、そんなことをするような子じゃないと信じていたケイトは何度も何度も彼に詳細を尋ねます。

もちろんヘンリーは
人気の無い道で彼女をナイフで殺害
彼女の胸に十字をナイフで彫った後
ケイトの遺体とセックス
そして暗がりに遺体を捨てました。

祈りの家へ戻り、牧師に「体調が悪くてケイトのところには行かなかった」と語り、夜になると遺体の場所に戻りケイトをバラバラに切り分けて袋に詰めて戻ります。
キッチンの薪ストーブで彼女の身体を燃やし、日の出前に北の国境へ牧師の車で逃げる事にしました。

ケイトの行方が知れなくなったことで、親戚は彼女の捜索願を警察に提出。捜査官ビル・コンウェイの目に付いたのは、犯罪歴と仮釈放違反の前歴を持つヘンリーでした。
ビル・コンウェイは”ハウンドドッグ”の異名をとるほど執念深い捜査官。既に彼の管轄外まで逃げ出していたヘンリーを、牧師の車を追跡することで執拗に追いかけます。

カリフォルニアハイウェイパトロールがヘメットという町で放棄された車を発見し、前席が乾いた血で覆われていることをコンウェイに伝えると、スグにヘンリーを重要証拠人として拘留するよう指示を出します。
翌日ヘンリーは、ヘメットにある骨董品店にいたところを拘束されました。

最初は車内の血は自分のモノだと語りましたが、ケイトの血液サンプルは取れなかったものの「A型」であったケイトと、車内に広がるヘンリーと同じ「O型」の血に、コンウェイは失望します。
しかし経験から血液は乾燥すると「O型」という結果が出やすくなることを知っていたコンウェイは諦めません。
釈放されたヘンリーはその後も犯行を続けましたが、資金が尽きたことにより祈りの家の牧師へ「ベッキーを探して旅をしている」とウソをつき資金援助を要求します。
承諾されたため、ヘンリーは祈りの家に戻りましたが、そこにいたのはコンウェイ捜査官。
ヘンリーが関わる別の事件を理由に拘留、五日間タバコもコーヒーも許されない環境は、真実を語る準備をするのに十分だったようです。

ヘンリーの証言により、ケイト・リッチの骨片と灰が薪ストーブの中から発見され、第一級殺人罪の罪で逮捕。
その後、ベッキー殺害の詳細についても白状したヘンリー、自身の人生で抱えた問題が彼女を殺す結果になってしまったと、涙ながらに証言します。
証言通りの場所に、少女のものと思われる遺体は埋められていました。
裁判

1983年6月にルーカスは告訴され、自身の証言に出てきた全ての罪を認めるとし、それから加えて
全国で300人以上の殺害行為を話し始めます。
その後最大で約3000件の殺害を自供していますが、皆さん忘れないでください。
サイコパスは総じてウソツキです。
自身へ注目を集め、重要人物であると見なして貰うためなら手段を選びません。
一般的には実際に殺害されたのは360人程度と見なされています。
……十分多いですけど?
その後の彼は「ヘンリー・ルーカス連続殺人事件特別捜査班」の正式メンバーとして、事件をバリバリ解決していきます。

彼の最後は、獄中での心臓発作による自然死。

もう二度と、ベッキーの下を離れるんじゃないぞ。
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