メシが美味くない?塩を振れ。どんな状況でも生き残るスキル③
- 2021.01.06
- 脳みその教科書

ど~も皆さんこんばんわ!ガンダルフと申します!
前回までの流れで、人間が生き延びるのに最も重要な”水”の確保についてをお話しましたが、調査している最中に面白い話を色々聞いてきました。
最近では、「ご家庭で手指消毒薬を作っている」そうです。
そりゃあ蒸留器が必要なわけですよ。
消毒用アルコール(エタノール)はエタノール分60~85%の水溶液が好ましいとのことで、スーパーでも取り扱っているホワイトリカーをさらに蒸留してまで、自分や家族の健康を守ろうとする動きがあるとのこと。
感動した!
。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。
必要を感じたことに対し、真摯に自分が出来ることをやっている人も、まだまだいるんですね~。
どんな強靭な人でも、心が一度ポキンと折れてしまったら、次に立ち上がるのにかなりの時間と体力を消費してしまいます。
頑張れば頑張るほど、折れた時の落差が大きくなるってことは、普通に生きてる人にとっては当たり前。
これまで色々な人間の心理を読み解こうとしてきましたが、私が気が付いた中で最も恐ろしい瞬間は
全てがどうでもよくなる瞬間
コレに尽きます。
「あ、もういいや。殺っちゃお」と、全てを諦めて殺人を犯す者は、私たちが想像するよりも遥かに多いです。
サイコパスは、この自分に対する戒めのタガを外してしまった瞬間から、シリアルキラーに変貌します。
なにも、「諦めるな」なんて高尚なことは申しません。私も多くを諦めてきた人間です。
でも折れてしまった後、もう一度立ち上がることが出来るなら
レンガで頭カチ割られても立ち上がって蘭の名を呼び
ドーベルマンに食い殺されかけても蘭の名を呼び
時限爆弾を目の前にする蘭の名を呼ぶ。
そんなチャンスを獲得するに至れるのです!
さぁ!我々も、蘭の名を呼…生き残りましょう!
水の確保が出来たなら、次に必要なものはなんでしょうか。
そう!塩です!
「製塩所に他のすべての製品がかかっている。なぜなら、金を探し求めない者はいても、塩を欲していない者はいまだかつて一人たりともいないからだ」
6世紀ローマの政治家、カッシオドルスの言葉です。
生き残るための”塩”について
人間は、生きるためにどうしても塩を必要とする存在です。
健康な大人なら、その体内に約250gの塩を含んでいます。食卓塩で言えば、小瓶3本分と言ったところでしょうか。
ハッキリ言います。塩が足りなくなれば、あなたの身体はみるみるうちに壊れていきます。
塩は、人体の中で血液・消化液・リンパ液などの体液に、イオンの状態で溶け込んでいます。
これにより、細胞内と外部にかかる圧力を浸透圧によって調整し、バランスを一定に保つ役割を担います。
このバランスが保てなくなると、食べ物から栄養素を吸収することが出来なくなり、循環不全、血圧低下、脱水症状、ショック状態に陥ってしまうのです。
また、脳からの命令を電気信号として神経細胞に伝える役割も、ナトリウムイオン、つまり塩が行っています。急に足がつったりする現象も塩が関係していることがありますし、不足するとそもそも動けなくなってしまうんです。
そして最も大事なのが”味”の問題。
現代人は、もう塩味が無いと食事に満足感を得られないところまで来ています。何とかダシのうまみで塩分を控えようという活動が、巷で大流行りしていますが、そのダシにすら薄くとはいえしっかり塩が入っています。
塩がないことで食事がとれずに亡くなってしまうなんて、考えたくもありません。
さぁ、塩を探しに行きましょう。
塩が無いと、50mも離れたビル間を車の力で飛び移るなんて出来ませんよ?
塩の確保方法
肉を食べましょう。終わり。
いやいや待って!冗談だから!
とはいえ、塩を必要としているのはなにも人間だけではありません。
普通に生きてる動物も、その体内に塩を持っています。血中によく含まれており、レンジャー部隊が狩った動物の血まで飲み干すのは、塩分確保が目的なわけです。
幸い、動物がいるところにはどこでも、塩の源を見つけることが出来るということ。
あ、植物はダメですよ?
地球上の植物の大多数は、高い塩分に耐えることが出来ません。野菜ばっか食ってても塩分は取れないんです。
つまり、草食動物の足跡を発見すれば、根気よくそれを辿ることで野生動物の塩分確保場に行き当たることができます。
それは、岩塩のようなものだったり、小さな水の流れだったり、色々な形をとっていることでしょう。水の流れに塩分が含まれている可能性も、十分に考慮する必要があります。
もちろん海も忘れてはいけない塩分源です。
塩水を入手したら、濃縮して個体に変えることで、いつでもどこでも塩味が楽しめます。
紀元前800年頃の中国では、素焼きの粘土壺を用いて塩水を煮詰め、最後に壺を割って底にこびりついた塩を取り出していました。
しかし、水分を全て蒸発させるほどの燃料はお高いですし、時間もかかるので簡単にはいきません。
ならば、太陽の力を借りましょう。
塩水の源から浅い水路を引き、ある程度溜まったらせき止めてしまいます。
気長にのんびり蒸発するのを待てば、水路の底に残った塩を回収するだけ。
紀元前6000年頃では、夏場に干上がる自然湖でこの方法を用いていました。人工池を使う方法は、その後数千年経つまで発見された記録はないそうです。
人工池の場合は、日照時間が少ない地域でも雨や夜露を避ける覆いを使って、塩水を薄めるのを防ぎ塩を取っていました。
海や塩水源が近くに無ければ、塩の確保は格段に難しくなりますが、近くに塩類の鉱床があれば岩塩を取ることが出来ます。
一昔前までは「そんな簡単に岩塩なんてねぇ!」という奴も多かったと思いますが、現在ではそんなもん世界中に転がり倒してるということが分かっています。
太古の海の浅瀬が干上がり、残った塩分が土に覆われて出来たモノ。
それが岩塩です。
しかしこの場合、注意が必要です。
大きな岩塩鉱床の坑内空気に含まれる塵状になった塩によって、坑内作業を行う人たちが短時間で脱水症状を起こしてしまった記録があります。
塩ってのは水分を引き付ける、いわゆる乾燥剤でもありますから、パッケージングされて店頭に並ぶ予定のない人はできる限り近寄るべきではありません。
そういう場合、ポンプを使ったソリューションマイニングという方法が使えます。
鉱床に真水を送り込み、しばらくしてからくみ上げることで塩水を得ることが出来るでしょう。
さぁ、蒸留の時間がやってきましたよ。もし野生動物の行く先が岩塩鉱床だったなら、動物の入ったところまででストップしましょうね。
まとめ
現代では、塩は溢れんばかりに取られています。というか溢れています。
塩は腐らないし、人がいる限り必ず必要なものですから。
人類が食べることのできる唯一の岩石類、塩を用いることで、水の沸点や凝固点を調節することもできますし、塩漬けなどの食料保存、発火時の消火剤代わり、他にも角質除去や染み抜き、挙句の果てには嫌な客を追い返す際、霊を室内に入れたくない時に最高に重宝します。
後半二つの効果は、いくら調べても確証が持てませんでしたのでご留意を。
人類が知る最古のスパイス、歴史上最も高価だった塩をこれほどまでに大量消費できる現代は素晴らしいですね。
さぁ、あなたも塩を取って生き残りましょう。
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