Dr.H・H・ホームズ①:薬剤師として地位を得て、殺人鬼として没落した男

Dr.H・H・ホームズ①:薬剤師として地位を得て、殺人鬼として没落した男
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ど~も皆さんこんばんわ!ガンダルフと申します。

 

私こうみえて、本業は投資家でして。

サラリーマンは副業でやっております。

最近興味があるのは不動産投資。

大家になって店子から家賃をせしめてやろうという、浅はかな考えでございます。

しかし、住む家と言うのは誰しも必要なもので、この極寒の冬場を家なしで過ごすと考えた日には、それだけで鳥肌もんです。

 

い~よね~マンション。トイレと風呂は別々で~。2LDKは最低でも欲しいな~。自分も一部屋住んじゃったりして。

各室に大きめのベランダがあって~。BBQとか出来ちゃうの(近所迷惑)。

一階には俺が推す飲食店を誘致して~…

 

( ゚д゚)ハッ!

妄想垂れ流してましたね。すいません。

 

しかし、家に強い関心のある人も、この広い世の中いるもんでして。

 

本日は、こんなサイコパスを。

 

ドクター・H・H・ホームズ

 

 

ドクター・ヘンリー・ハワード・ホームズ

別名:ハーマン・ウェブスター・マジェット

(1861年5月16日 – 1896年5月7日)

アメリカ史上最初のシリアルキラー

 

※この話には諸説あるため、とある一説としてご紹介しますが、後程他の話にも触れようと思います。

 

ドラッグストア

1886年夏、シカゴ郊外にあるエングルウッドは、鉄道が通ったことにより、ビジネスチャンス溢れる素晴らしく栄えた街でした。

地元のドラッグストアの奥さんであるホルトン夫人は、63歳にも関わらず大忙し。顧客対応に追われます。

そこに、彼女の知人マクナマラ夫人が、息子を連れてやってきました。

「息子のジョニーが、腹痛をうったえています。何か対処法はありませんか?」

丁寧に対応したホルトン夫人は、胃薬を探しに棚の下にかがみました。

薬を薬包紙で包み、マクナマラ夫人へ渡して別れたあと、かがんでいる間に店に入っていた男性がドアの近くに立っているのが見えました。

ハンサムで洒落た服装、顔は若いにも関わらず、金のカフスボタンにスターチ加工の白いカフス。

少々体格は小さめでしたが、ベストとスーツは仕立て物、なかなかの上客に違いありません。

男性は、ホルトン夫人へ告げました。

 

「日刊紙に掲載された薬剤師の件で来ました。Dr.ホームズです」

 

実はホルトン夫人の旦那さん、前立腺がんでこの店の二階で寝たきりの生活を送っていました。薬剤師であった旦那がこのままでは、店はつぶれてしまうため、仕方なく求人広告を出していたんです。

 

話を聞くとホームズは、夫人からテストとして渡された処方箋を確認すると、カウンターへと足を踏み入れ、材料を集めてすり鉢で粉を挽き、手際よく薬を完成させました。

ホルトン夫人はこれに感銘を受け、その場で彼を雇います。

彼女が何を失敗したかと問われれば、ホームズの信任状を確認しなかったことだけ。

それだけでしょう。

 

短期間でホームズは、ドラッグストアビジネスを拡大させていきます。

ホームズは女性の扱い方も手馴れており、固定客をつかむことにも成功していました。

これでホルトン夫人は、寝たきりの夫との時間をより多く過ごせるようになりました。

ホルトン夫人の夫が亡くなった時、ホームズは老婦人に近づく機会を得ました。

「あなたは休んだ方がいい。…辛いだろうが、この仕事から引退すべきだ」

「奥様、私が店を買い取って毎月家賃をお支払いします。これであなたは、仕事や心配事から解放されて収入を得ることが出来る」

ホームズに何度も諭され、夫人は満足げに了承。上手く行くかに思えました。

 

ホームズがホルトン夫人と約束した支払いを怠った際、夫人はホームズを法廷に連れ出しました。

しかし、裁判が終わる前に夫人が失踪。

顧客は、彼女の居場所をホームズに尋ねましたが、”夫の死後に取り乱し、彼の部屋に住むこともできなくなってカリフォルニアへ引っ越した”と伝えました。

 

 

城の建造

夫人の失踪後まもなく、ホームズはミルタ・Z・ペルナップという女性と結婚します。

金髪カールに縁どられた無邪気な笑顔がカワイイ人でした。

しかししばらくした後に、ホームズが他の女性との関係に興味を持っていることが分かり、彼女は怒り心頭。内気な彼女はおとなしめにホームズへ抗議しました。

夫の行動を我慢し続け一年も経つと、ミルタはその穏やかな抗議を客の前で爆発させるようになります。ホームズも段々と彼女の存在を疎ましく感じるように。

 

実はホームズ、ニューハンプシャー州のアルトンに最初の妻を持っていました。これがくだんの”ホームズが興味を持つ女性”。

妻の名前はクララ・A・ラヴェリング・マゼット。

ファミリーネームが”ホームズ”ではなく”マゼット”であることにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、実はホームズってのは彼の持つ偽名の一つでした。

ホームズは、マゼットと離婚する努力をしましたが、最終的にはミルタを両親のもとへ送ることになります。

おせっかいな妻から解放されたホームズは、自分の欲望を追求するための自由を手に入れました。

 

その後どこで知り合ったのか、ホームズはベンジャミン・ピッツェルという男性と、共同生活していました。

ベンジャミンは身長180㎝、筋肉質でとても格好の良い18歳。すでに結婚もしており5人の子供をもうけていました。しかし、この頃には離婚していたようで、清掃員、製材所、鉄道労働者、サーカスの団員などの職を転々とし、軽犯罪で何度かムショにもお世話になっています。

1889年11月から共に暮らしていたようですが、ベンジャミンはホームズの生活にもたれかかるようになりました。

しかし、やっぱり彼もある日に失踪を遂げます。

 

再度の自由を得て、ホームズが何を思ったのか、63丁目のウォレス通りに3階建ての大きな建築物を建てることになりました。

50フィート×162フィートの角地に建てられることになった3階建てのビルは、当時にしては異様な巨大さ。

大工や労働者を大量に雇用して建築に臨みますが、どうやら不穏な空気が漂い始めます。

彼らが1~2週間働くと、ホームズは彼らの劣悪な仕事を非難してすぐに解雇します。もちろん賃金も支払いません。

彼らが訴訟を起こすと、ホームズは次々と別の難解な仕事を与え、労働者が諦めて辞めるまで付き合いました。

ビル内のオフィスに巨大なウォークイン型の金庫を設置しましたが、その金庫の支払いも滞り、販売会社が金庫を回収するために数人の作業員を送り込んだ時も、ホームズは彼らを訴えると脅し、金庫を手に入れることに成功しています。

 

 

 

また、労働者へ賃金を支払わないだけでなく、ビルの設計についても労働者から隠していました。

鋳鉄製の扉の付いた巨大な窯や、生石灰や酸のような腐食剤の入ったタンク、鉄メッキの部屋、秘密の通路、地下にある亜鉛メッキのタンクの真上にある隠し通路、ガス噴出孔のついた密閉室、どこにもたどり着けない階段など、誰にも怪しまれないように短期間で多くの労働者を入れ替えます。

近代的な外観を持つ巨大ビルは、一年後に恐怖の城として完成されました。

 

つづく